日曜日の初心者クラスでコーチをしています、田中です。
1月13日と14日に詰将棋大会2024冬をやりましたね。いかがでしたか?
今回も、問題は全て私の方で作っています。
さて、みなさん全員の回答を見て、どんな問題が間違えやすいかが分かりましたので、お伝えしたいと思います。
<まず>
棋譜の書き方についてです。今回初めてやった子は、難しかったかもしれません。いつもの教室でもお話しますが、毎回必ず出ます。よく分かっていないと思う子は、将棋連盟のホームページを見て、しっかり復習しておきましょう。
https://www.shogi.or.jp/faq/kihuhyouki.html
「打」(うつ)、「不成」(ならず)、「上」(あがる)、「寄」(よる)、「引」(ひく)、「直」(すぐ)などが特に間違えやすいです。何度も読んで覚えておくと良いです。
<一手詰>
今回は、しっかり準備してきていると感じる答案がいくつもありました。土曜日は3人、日曜日は2人の満点が出ました。しかも、土日両方満点取った子が1人いました。満点が土日のべ5人も出たのは過去最多です。また土日どちらも、上級者クラスの点が全体的に少し上がっていました。とてもよかったと思います。
一方で、今回も間違いが多かった問題がありました。
まず(1)の土曜日39番。正解は「2三銀上成(23ぎんあがるなる)」で、正解した人は26人、不正解は20人でした。「上」や「成」がないとバツです。「成上」もバツです。「2三銀成」では、どちらの銀を動かすのか分からないですし、「2三銀上」では、成るのか成らないのか分からないです。「上がって成る」から「上成」と覚えましょう。
日曜日は、(2)の61番。正解は、「1五角」です。「4六角」という回答が多かったのですが、それは「2六玉」と逃げられてしまいます。また「4八角」という回答もありました。一見玉が逃げる場所は無さそうですが、これには「3七歩」という受けがあり、「同角」は王手にならないですし、「同香」は角の効きがとまったので「2六玉」です。なお「1五角成」という回答もありましたが、五段目では成れないのでバツです。この問題に限らず、成れないのに「成」と書いてしまっている回答が多かったです。
<三手詰>
12問ありましたが、今まで通り土日どちらも、63番から68番がやさしめ、69番から74番がむずかしめ、にしています。今回は、土曜日で満点が2人、日曜日で1人いました。やはり三手詰が、最も棋力が表れます。特に初段を目指す人は、ぜひ三手詰をたくさん練習してみてください。
(3)は、土曜日の67番で、三手詰前半の中ではむずかしかったようです。「3一角成、同龍、3三桂」や「3三桂、同龍、3一角成」といった間違いが多かったです。どちらも4手目で「同龍」と取られてしまいますね。正解は、「3一角成、同龍、5三桂」です。角がいなければ「5三桂」で詰みということに気付くかどうかがポイントでした。また、この角のように詰みの邪魔をしている攻方の駒を邪魔駒といい、詰将棋ではこのような邪魔駒消去の問題がよくあります。土曜日の89番、日曜日の77番、81番、91番も邪魔駒消去の問題でした。邪魔駒消去は問題として作りやすいので、多分次回も出ます(笑)。
(4)は、日曜日の69番で、15人正解、10人不正解でした。「4二角成、3五玉、2四龍」という回答が多くありましたが、それには「2六玉」と上に逃げられてつかまりません。この「2六玉」を防ぐため、「1五角、3五玉、2四龍」が正解でした。角をあえて引くのが見えにくかったかもしれません。なおここでも、「1五角成」はバツです。
<五手詰、七手詰>
1問でも解けた人が土曜日は9人、日曜日は19人でした。五手詰までたどりつくのがそもそも大変ですが、配点が高いので、100点以上の高得点を狙う人は是非挑戦してもらえればと思います。特に有段者はここで差がつきますので、五手詰を練習すると良いです。土日とも上位3人は、五手詰12問中最低でも8問正解しています。
なお土曜日でむずかしかったのは82番と84番で、正解者一人ずつでした。日曜日では、
86番が正解者0でした(見た目が難しそうなので、ほとんどの人がとばしてしまったようです)。
<全体的に>
前回と大体同じ難易度にしたつもりです。思ったよりも点が取れなかったという子は、解答を確認してみてください。「打」をつけないのが正解の問題でつけてしまうとバツになります。今回も何人かいました。
最後に、今回も採点を手伝っていただいた方、本当にありがとうございました。今回も大きなトラブルなくとてもスムーズにできて、本当に良かったです。
また次回も手伝っていただけると嬉しいです。私も、次回に向けてまた少しずつ問題を作り始めたいと思います。