佐伯コーチから子供たちへ

こんにちは。コーチの佐伯です。
8/9の丹野将棋教室での対局で印象に残った対局がありましたので紹介します。
普段Aクラスで指導することが多いですが、本日はBクラスでの指導となりました。

紹介する対局は、4枚落ちで5級の子との対局です。
この子はまだ低学年ですが、年中のころから教室に来ており、めきめき成長を続けているのでどれだけ成長しただろうかと久々の対局を楽しみながら指しました。

将棋の内容は、中盤は上手が押され気味でしたが、下手が終盤の寄せを間違えてしまいもつれました。
以下は最終版、図の局面で6七桂を打った局面です。

 

 

私がしばらく次の一手を考えていると、その子が
「桂馬とるよなぁ~」
「やっぱり桂馬とるかなぁ~」
「桂馬とるかなぁ~」
とかわいい声で何度もつぶやいているのです。

ここは、上手が6五玉と逃げればその後の王手が続かず安全勝ちも可能なのですが、指導している側としては、桂馬を取って「かっこよく」詰ましたくなるもの。

▲6七銀成 △同金 ▲同金 △同玉 と進んで、

7六角と打ったのが次の図です。

冷静に後から見てみると、角を打たずに6六銀と打って並べ詰みなのですが、思わずかっこつけてしまい角のただ捨てから詰ましにいきました。
ところがこの手は、同玉と取られたときに腹金(6六金)からだいたい詰むだろうと見切り発車で打った角でした。

私は同玉と取られたあとの手を読んでいましたが、その子の次の1手は、思わぬ手でした。

「負けました!」と威勢よくいうのです。

詰みを読み切れていない私は、思わぬ投了にびっくりしてしまいました。
現在感想戦は行っていないので、対局はそのまま終わりましたが、腹金のあといくら読んでも詰まないのです。
あの局面でもし同玉と取っていたら私は詰ますことができず負けていただろうと思うと、投了はもったいなかったなぁとモヤモヤしておりました。
そこで、帰宅したあとで盤に並べてみたところ、同玉のあと腹金ではなく頭金から詰んでいることがわかりました。
みなさん、王が逃げた場合の詰み手順や同玉のあとの詰み手順も考えてみてください。
7六角の局面で、いさぎよく負けをみとめて投了できる子どもがどれほどいるでしょうか。
いさぎよく負けをみとめるのは立派だと思いますし、この子は詰みを読み切っていたのだと思います。
この対局は結果としては勝ちましたが、勝負には負けたように感じました。
今日のBクラスの対局では他に2回も負けてしまい、将来Aクラスへ行くであろう子どもたちがたくさんいると感じた日でした。

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