第8回山本将棋教室詰将棋大会の田中先生からの講評 

こんにちは。

日曜日の初心者クラスでコーチをしています、田中です。

6月に詰将棋大会をやりましたね。覚えていますでしょうか。

今回は、土曜日は57人、日曜日は87人の方が挑戦しました。

私の方で全員の回答をチェックしましたので、気になった点をお伝えしたいと思います。

<まず>

棋譜の書き方について、なかなか間違えずに書くのはむずかしいですが、毎回必ず出ますので、将棋連盟のホームページを見て、しっかり復習しておきましょう。

https://www.shogi.or.jp/faq/kihuhyouki.html

「打」(うつ)、「不成」(ならず)、「上」(あがる)、「寄」(よる)、「引」(ひく)、「直」(すぐ)などが間違えやすいです。わかるまで、何回も読んでおきましょう。

 

<一手詰>

今回も、土日どちらも32問目までは、「打」や「不成」などは出てこない、やさしい問題にしましたつもりです。初級者クラスの子は、まずは32問目まで間違えずにできると良いと思います。そして今回は、土日ともに全問正解はいませんでした。1問間違いの61点が

土曜日は3人、日曜日は2人でした。間違いが多かった問題をいくつか解説します。

まず(1)の土曜日28番。いつも間違える人が多い問題です。正解は、「4二飛成」です。「2一飛成」とすると、3三玉に逃げられてしまいますね。

次は(2)の日曜日9番です。正解は、「1一桂成」です。「1一馬」は、2三玉と桂馬を取られて逃げられてしまいますね。

 

<三手詰>

12問ずつありましたが、前回と同じように、土日どちらも、63番から68番がやさしめ、69番から74番がむずかしめ、にしたつもりです。68番まで解ければ2~3級くらいと思います。土日どちらも全問正解者はいなく、11問正解した人が土日で一人ずつでした。

(3)は、土曜日の70番です。比較的間違いが多かった問題ですが、分かりましたでしょうか。正解は、「3二銀、同馬、1二金」または「3二銀、同玉、3一金」です。馬でも玉でも取れる、3二に銀を打つ初手がポイントです。「1二銀、同馬、3一金」という回答がいくつかありましたが、それは1一玉とされて詰まないです。最後まで詰みかどうか、しっかり考えることが大切ですね。

(4)は、日曜日の74番、三手詰めの最後の問題で、正解者は0でした。正解は、「5五金、同香、4六飛」です。初手4六飛とやりたくなりますが、5五玉とされ、6四への逃げ道がふさげず、詰まなくなります。4六飛のときに5五に逃げられないようにする、初手5五金が正解でした。

<五手詰>

なかなか五手詰までたどりつくのも大変ですが、有段者の人は、三手詰を解ききったうえで、五手詰1問以上正解を目標にしてほしいなと思います。こちらも、土日どちらも75番から80番までがやさしめ、81番から86番がむずかしめにしました。

(5)は、土曜日の80番です。やさしめかと思いましたが、正解者は0でした。この問題までたどりつけたのが4人だけでしたが・・・。正解は、「3二金、2三玉、3三金、同玉、2三飛」です。金から打って、飛車を残すのが見えにくかったかもしれません。

(6)は、日曜日の80番で、正解者は3人でした。シンプルな図ですが、意外と難しかったようです。正解は、「2二飛成、3五玉、3三龍、2五玉、3四角成」でした。初手4四飛成も詰みそうですが、1三玉と逃げられ、3三龍は1二玉と角を取られて詰まないです。

捨て駒がない、珍しい問題でした。

<七手詰>

土曜日クラスでは今回有段者の人はいなかったのですが、それでも4人も七手詰を解いてくれて、うれしく思います。ちなみに前回の23/冬では、土曜日では七手詰を1問でも正解できた人はいませんでしたので、今回の土曜日クラスはレベルが上がったということですね。

日曜日は、七手詰を1問でも正解できた人は、コーチ含めて3人でした。

(7)は、土曜日の91番です。正解者はいなかったのですが、私自身は実はお気に入りの問題です。正解は、「4三金、2三玉、3三金、1三玉、2三金、同玉、5三飛成」で、3連続で金をひたすら横に動かすというのが面白い手順だと思っているのですが、いかがでしょうか(笑)。歩以外の駒、飛角金銀桂香を全て一枚ずつ使っているというのも隠れた工夫です。

(8)は、日曜日の87番で、佐伯先生からお褒めの言葉を頂戴した問題です(笑)。これまたとってもシンプルな図なのですが、正解者は一人でした。正解は、「2一角、2二玉、1一銀、同玉、4三角成、1二玉、1二馬」です。6手目は2二玉、7手目は1二飛成でも正解です。初手は角か銀を打つしかないのですが、どちらが正解かという問題です。5手目に4三角成以外の開き王手ですと、6一角と肝心の飛車を取られてしまいます。それを見越して初手は角打ちが正解です。

<全体的に>

前回と比べていかがでしょうか。前回よりも、点数が上がった人もいれば、下がってしまった人もいると思います。下がってしまったとしても、どこで間違えたのかを確かめて、次は同じ間違いをしないようにすることがとても大切です。特に、一手詰は、出る問題が分かっているのですから、ちゃんとやればできるはずです。次は、一手詰満点の人が何人も出るといいなと思います。なお、級毎に全体でみると、土曜日は全体的に少し上がっていて、日曜日は同じくらいでした。むずかしさとしては、次回もこのくらいを目指そうかなと思います。

 

最後に、今回も採点を手伝っていただいた方、本当にありがとうございました。回を重ねるたびにこちらもコツが分かってきまして、今回はとてもスムーズにできたと思います。

また次回も手伝っていただけると嬉しいです。

 

土曜日の解答に修正点がありましたのでこちらに差し替えお願いいたします。

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