第6回山本将棋教室詰将棋大会の問題作成者 田中先生による考察 !!!全員必読!!!7回目の為に初心者も必ず読むこと

こんにちは。

日曜日の初心者クラスでコーチをしています、田中です。

9月に詰将棋大会をやりましたね。覚えていますか?

その詰将棋大会で出した問題は、私が作らせていただきました。

そして、私の方で、全員の解答をチェックしました。(土曜日、日曜日、上級クラス、初心者クラス全員です)。みなさんの解答を見ていくうちに、いろいろなことが分かりました。少し遅くなってしまいましたが、この場でお伝えしておきたいと思います。

 

<まず>

棋譜の書き方ができていない人が、けっこういました。

せっかく頭の中で答えが分かっていても、「打(うつ)」や「成(なる)」や「不成(ならず)」をつけ忘れたり、「右」と「左」を間違えてしまったりしては、バツになってしまいます。一手詰なら1点、三手詰なら3点、五手詰は5点失うことになります。もったいないですね。

棋譜の書き方は、将棋連盟のホームページにのっています。

https://www.shogi.or.jp/faq/kihuhyouki.html

わかるまで、何回も読んでおきましょう。

 

とくに、「下(さがる)」という答えが多かったですが、この将棋連盟のページで分かる通り、「下(さがる)」はありません。動きをあらわすのは、「上(あがる)」、「寄(よる)」、「引(ひく)」です。そのほか、たて、よこ、ななめ、まえ、うしろ などなど・・・いろいろな答えがありましたが、そのような書き方はありません。全部バツです。せっかく将棋をやっているのですから、棋譜の書き方はぜひしっかり覚えてください。

 

なお、将棋をはじめたばかりでよくわからない、という人は、まずは、棋譜の数字がどのマスを指すのか、これがわかるようになるといいですね。それが分かったら、「成(なる)」、「不成(ならず)」、「打(うつ)」・・・と一つずつわかるようになっていけたらいいなと思います。

 

<一手詰>

というわけで、今回の一手詰は、棋譜の書き方ができていないと正解できない問題をいれています。土曜日では、70人中わずか8人しか正しく書けていない問題もありました。それが(1)土曜日42番の問題です。正解は、「2二銀直成」です。「2二銀成」だけですと、どちらの銀を動かすのか分からないですね。ですので、どちらを動かすのか分かる言葉がいります。それが「直(すぐ)」です。真っ直ぐの「すぐ」です。金や銀が真っ直ぐ前へ進むときだけ、「直(すぐ)」を使います。この問題で「右」と書くのは、本来はバツです(今回は、おまけで「右」でもマルにしています)。まちがえやすいところですが、とくに上級クラスなら、正しく覚えてほしいなと思います。

日曜日では、多くの人がひっかかってしまった問題がありました。(2)50番です。この問題、「2三飛成」という答えが多かったです。これはワナにハマってしまいました。「2三飛成」には、3三香と角を取られて失敗ですね。よって正解は、「3二飛成」です。飛車を3二になることで、香車で角を取られないようにするのが、この問題のポイントでした。こういったワナもあったので、今回の一手詰は、今までの詰将棋大会よりむずかしかったと思います。そんな中、62問すべての一手詰を間違えずに正しく書けていたのは、土日あわせて(大人や先生もあわせて)岡野朋輝君と加藤澪さんただ二人でした。お見事です。大変すばらしいです。

 

 

<三手詰、五手詰>

それぞれ12問ずつありましたが、今回は、土日どちらも、1問目~6問目がやさしめ、7問目~12問目がむずかしめ、にしたつもりです。

三手詰では、63番から68番がやさしめ、69番から74番がむずかしめでした。

五手詰は、75番から80番がやさしめ、81番から86番がむずかしめです。

三手詰の最初の6問は、上級クラスの子なら、確実に正解できるようになるといいかなと思います。

土曜日で、間違いがやや多かったのが、(3)66番の三手詰です。「2二銀不成、同玉、2三金」という答えがいくつかありました。これは、次に3一玉と逃げられて、詰みませんね。正解は、「1二銀成、同玉(または同香)、2三金」です。銀がいないと2三金の一手詰ですね。ですので、銀を捨てればよいのですが、どう捨てるかがポイントでした。この銀のように、ない方が良い駒を邪魔駒(じゃまごま)と言います。実際の対局でも、ない方が良い自分の駒をわざと捨てることがあります。これは一つのテクニックで、実は良く出てきます。

日曜日からは、(4)の83番の五手詰を紹介します。今回作ったうちのお気に入りの一つです。正解は、「3四桂、同歩、3三角成、同玉、2五桂」 でした。初手に3三角成とすると、同玉、2五桂に3四玉と逃げられてしまい、詰みません。この3四の逃げ道をふさぐために、初手に3四桂と捨てて、同歩と取らせるのがポイントでした。この問題、正解した生徒は、2人だけでした。

 

 

なお、三手詰五手詰から解き始めたと思われる解答がいくつもありましたが(なぜか土曜日に多かったです)、このやり方は、あまりおススメしません。五手詰を1問解くよりも、一手詰を5問解く方が簡単じゃないかな・・・と思います(もちろん、五手詰から解いてはダメとは言いませんが・・・)。

 

<七手詰>

七手詰まで到達できただけでも、相当な強さです。今回は、最初の2問(87番と88番)がやさしめ、後の4問(89番~92番)がむずかしめでした。

(5)日曜日の92番、つまり最後の問題を紹介します。正解は、「5三角成、4二飛(!)、2一歩成、同玉、4三馬、同飛、2二金」でした。初手5三角成に、金や銀などを合駒するのは、2一歩成、同玉、2二金までの5手で詰んでしまいます。5三角成に4二歩も、2一歩成、3二玉、3一金の5手で詰みます。そこで、2手目は飛車を合駒するのが正解です。飛車ならば、5手目に2二金とはできません。そこで5手目は4三馬と捨て、飛車を動かして、金を打てば詰みとなります(ここまで、読んでもよくわからないという人は、ぜひ盤と駒を使って自分で並べてみてください)。

詰将棋では、このように合駒が一つだけ正解という場合があります。このようなものを合駒問題といい、むずかしい詰将棋のパターンの一つです(作るのもハードです・・・)。なおこの92番は、日曜日では唯一の誰も正解できなかった問題でした。(この問題にたどり着けた人が2人だけでしたが・・・)。

 

<全体的に>

今回の20分では、目安としては、こんな感じかなと思います。

・一手詰がすべて解き終わる → 5~7級 または 初心者クラス優勝レベル

・三手詰がすべて解き終わる → 1~4級

・五手詰がすべて解き終わる → 初段、二段 または 上級クラス入賞レベル

・七手詰がすべて解き終わる → 三段以上 または 上級クラス優勝レベル

 

20分ではぜんぜん終わらない、という人が多かったでしょう。ですが、将棋では、ぱっと見で良い手が見えるということは、けっこう大切です。ぱっと見で見えない手は、いくら考えても見えなかったりします。そして、普段からこのような詰将棋をやっておくと、良い手がすぐ見えるようになります。そうなれば、自然と強くなりますし、次の詰将棋大会ではきっと前回よりも良い点が取れるようになります。

次の詰将棋大会は、年明けを予定しています。実は、既に問題を作り始めています。今回は出さなかったパターンの問題も、少し出そうかなと思っています。みなさんも、日々少しずつ、自分のペースでよいので詰将棋を解いておくと良いと思います。次回も、みなさんの頑張る様子が見られることを楽しみにしています。

 

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